ユング心理学の視点から見た日記。スーパー戦隊シリーズ キョウリュウジャー、トッキュウジャー、東のエデンのレビューと感想。エニアグラム、子どもが育つ魔法の言葉、話が通じない人の心理、自分に気づく心理学。ドラマやアニメから学ぶ人生観。
 
加藤諦三 著「話が通じない人の心理」(青春文庫)より。



人と親しくなるには、そこに楽しさがいるという。利害関係抜きで関係を作るには、一緒にいて楽しいことが望まれると。

また、親しい関係では、(ある程度の)本音を言えるし、(ある程度の)助けを求められる。そしてその根底には、基本的な信頼があると。本音を言っても大丈夫、助けを求めても大丈夫という、基本的な信頼という土台がある。それくらいなら関係は壊れないという、ある種の安心や自信があるのでしょう。

じゃあ、そんな自己開示をできない人はダメなのかといえば、そんなことはありませんよね。だいたい、そうなるには理由があるもの。大丈夫だという経験の積み重ねがないと、そうはいかないのです。

仮にそうできないとしても、誰も責めることはできない。



加藤さんは本の中で、10の「親しさの要素」を紹介してくれています。(P40)


(1) その人の幸せを願うかどうか。

これは、互いに幸せを願う関係。他では、互いに気遣う関係。平易に言えば、お互い様。

けれど、他者というリアルがない人は、自分の幸せだけを願う。苦しみで言えば、相手の苦しみは意に介さず、自分の苦しみだけに注目する。

健全な関係では「する」と「される」が両方あるけれど、自己愛が強いと「してもらって当然」となり「どうして、してくれないのか」と苦しむ。


相手の幸せを喜べる関係が、親しい関係。そこには相手がおり、相手の気持ちがある。

同じことをしても、相手のことを考えている場合もあれば、実は自分のことしか考えていない場合もある。相手の気持ちを自分で考え、それを相手の気持ちだとしてしまうのです。相手に聞かない、相手を見ない、そして自分の感情や考えを信じる。


ただしこれも、一方的に責められるものかといえば、そうでもないと思います。

相手の幸せを喜べるというのは、心に余裕があるから。逆に、そうじゃないというのは、心に余裕がないから。そう考えると、事情というものが見えてくる。また、親しい関係の土台に基本的な信頼があるとすれば、また、考えることもあるでしょう。



(2) その人と一緒に幸せを味わえるかどうか。(P51)

人と親しくなれる人は、人と一緒に幸せを味わえるという。

一方、ナルシストだと、自分を守ることで精一杯になってしまう。

さらに、自分を守ることに精一杯になってしまうと、他人を傷つけることになりがちになる。

(自分を守るために)相手の価値を否定する。

これは裏を返せば、相手の価値を引き落としてでも自分を守らねばならないようになってしまっている、ということでしょうか。

おそらく当人には「自分を守っている」という意識はないのでしょう。でも、引き落とさずにはおれない。それが癖になってしまうので、「ああ、あんなものはね」とか、安易に言ってしまう。

ただ、「自分を守る」というのは「自分を守らねばならない」ということで、「相手を引き落とす」というのは「相手を引き落とさずにはおれない」ということ。こうなると、「そうしているのか、そうさせられているのか?」というところがあります。

しっかり守られた経験が薄いと、自分でしっかりと守らざるを得なくなる。価値を認められた経験がないと、相手の価値をなかなか素直に認められない。そういったところも。

このように事情はありそうなのですが、これ、相手にとっては分からないし、関係のないことなんです。なので、「?」となったり、あまり続くと気分を害される。



(3) その人を尊敬できるかどうか。(P56)

親しいとは、「その人がよい」ということであるという。最高ではなくても そのひとがいいと、選んでいる。弱点があっても好きだし、弱点があっても尊敬できる。また逆に、自分の弱点も見せることができる。演技する必要がない。

その根底にあるのが、基本的な信頼や安心感。

自分は相手を受け入れるし、相手も自分を受け入れているという感覚がある。

そしてそれは、人間の活力の源とも関係している。



このような親しさの要素が、10個紹介されています。

残りは、以下のようなもの。



(4) 困ったときに頼れるかどうか。(P59)
(5) その人と相互理解があるかどうか。(P60)
(6) いろいろなものを共有できるかどうか。(P64)
(7) 励ましを受けるかどうか。(P65)
(8) 励ましてあげるかどうか。(P66)
(9) 親しくコミュニケーションができるかどうか。(P68)
(10) その人を大切にするかどうか。(P70)



これらの中には、その奥に、いくつかの傾向が見られます。

それは、基本的信頼の問題。幼少時に、しっかりと守れたか? 注目されたか? つまるところ、愛されたか? ということ。

十分に守られた経験がないと、自分で自分を守らねばならなくなる。そうなると自分に精一杯になって、相手どころではなくなってしまうのです。

どうしても自己中心的になって、人と親しくなれません。

ただ、この自己中心的というのは相手にゴリゴリ主張するだけではなく、相手の気持ちまで自分で決めて、といった面も含まれます。なので、相手が望んでないのに下手に出たり、といったこともある。

ともかく、相手を見ないので、調子を合わせるのが苦手です。過剰に迎合するということも含めて、そうであるということ。

(迎合 げいごう:自分の考えを曲げてでも、他人の気に入るように調子を合わせること)



人付き合いがうまい人には、躊躇(ちゅうちょ)がありません。気にせず、ポンッと、懐に飛び込める。これはタイプによって、「誰にでも」という人もいれば、「まあ、親しい人なら」という人も。

これも根底にあるのは人間への信頼ですね。意識の奥に「だいじょうぶだ」というのがあるから、迷わない。そして、「では、逆は?」ということになります。


あと、「飢え」というのもあるようです。

十分理解された人は、それ以上理解を求めない。でも、理解に飢えている人は、多くの人に理解を求めようとする(そうせざるを得ない)。また逆に、あまりに理解されることがないと、理解されることをあきらめる場合も。

これらも、人と親しくなる障害になることがあるようです。


この本でいうところのナルシストが困るのは、「相手の気持ちを察しない」ところ。関心は自分にばかりあるので、相手の気持ちがお留守になります。

でもこれも、気持ちを察してもらった経験がないから相手の気持ちを察することもない、という面も。十分に分かってもらった経験がない(か、乏しい)ので、相手の気持ちを分かるということを知らない。

経験がない、知らないということが、根にあることも。

なので、単純に責められないところがります。





「話が通じない人」の心理 (青春文庫)




自分でできる対人関係療法







<<「第2回 ナルシストと人付き合い」「第4回 思い込みの激しさ」>>




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生息地:関西
分類:昭和人間
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黒電話、赤電話が主流で、冷房は扇風機、暖房は石油ストーブと炬燵という時代


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