ユング心理学の視点から見た日記。スーパー戦隊シリーズ キョウリュウジャー、トッキュウジャー、東のエデンのレビューと感想。エニアグラム、子どもが育つ魔法の言葉、話が通じない人の心理、自分に気づく心理学。ドラマやアニメから学ぶ人生観。
 
今回は、「夢は目的追求的であると同時に補償的であり、人格の均衡と個性化を促進する助けをしている」という部分について。




「夢には自我-意識の一面的な態度を補正するという補償的な働きがある」というユングの見解は、心のホメオスタシス(恒常性)という彼の考え方と合致する。





【恒常性】 homeostasis

生体がさまざまな環境の変化に対応して、内部状態を一定に保って生存を維持する現象。また、その状態。血液の性状の一定性や体温調節などがその例。

動物では主に神経やホルモンによって行われる。ホメオスタシス。

(大辞林より)





安定した状態というと、常に固定化した状態を想像しがちですが、必ずしもそうではないようです。

なぜなら、人は――そして、場も――外的あるいは内的な環境の変化を、受けるから。

ということは、真の安定とは変化しないことではなく、「変化しつつも安定した定常的な状態」ということになります。あるいは、「安定するために変化した状態」。


例えば、体温というのはある一定の範囲内で安定してなければならない。

が、単に固定化しているだけならば、外気温が上がった際には、範囲を超えてしまうでしょう。寒冷地の生活も、できなさそう。外部の変化と一緒に、上下してしまう。

ところが人間には、変化に対応する機能が備わっています。

体温が上がれば、発汗や血管の拡張などで、体温を下げようとするし、体温が下がれば、悪寒や代謝の亢進による発熱などで、体温を上げようとする。あるいは、血管を収縮させて、体温が奪われるのを防ごうとします。

このように、人間には、変化に対応して安定した状態を保とうとする働きが備わっているのです。


そしてユングは、夢にも同じような作用があると考えました。



人間の自我の安定というのは、狭い範囲で固定化する安定に似ています。限定した状態に、安定する。

なので、環境の変化に対応できないところがあります。

で、それを助けてくれるのが、夢であると。


自我の安定というものをイメージすると、やはり、乱れることなく落ち着いているさまや、穏やかに過ごすさま、あるいは、いつものように仕事をこなすさまなどが、出てくるでしょうか。

でもこれは、環境が安定している時にはいいですが、そうでない時には、困りますよね。


ものの善悪は抜きにして、「今まで通りのままでは危ない」という状況は、誰にも、どこにも、生じるものだと思われます。

そんな時に、落ち着いていたり、穏やかに過ごしていたり、いつものように黙々とやっていたら、やっぱり危ないわけです。

対応しないと、危ない。


外気温が相当高いのに生体機能がいつものままなら、危ない。それと同じようなことが、生き方という点においても生じると。




補償理論を、心の行動の基本法則とみなすことができる。片側が少なすぎるということは、反対側が多すぎるということである。それと同じように、意識と無意識とは補償し合っている。

これは夢解釈のもっとも明確に証明された法則のひとつである。夢を解釈しようとするときは、常に次のように問うのが有効である――これは意識のどんな態度を補償しているのかと。

――夢は「我々の意識的な知識に何か重要なものを付け加える」
――夢は「心の均衡を保つために、常に反対側を強調する」




夢にはよく、嫌な奴というのが登場するものです。

夢を見た人は、その嫌な奴について、熱心に語ります。

あの人はこれこれこうで、こんなところが気に入らないとかなんとか。


その嫌いな点は、夢を見た人の視点から見る時、確かに嫌な感じがするかもしれない。

けれど同時に、それを問題としない人も、多かったりする。


そしてやがて見えてくるのが、その嫌な奴を表す特徴というのが、夢を見た人の態度の中で、目立って欠けているものであること。

(といっても、これがすべてのケースに当てはまるということではありません。こういうケースもあるということ)



この夢は、浅い段階では、単に嫌な奴を夢で見た、というだけのものでした。

しかし、「これは意識のどんな態度を補償しているのか」と考えると、また別の意味が出てきます。

そんな意識の痛い点を、夢はついてくるのです。


あなたは○○を××だと言う。でも、そう言うあなたは…

そんな痛い点を、隠していたりするのです。



そしてまた、それは単に痛いだけのものではない。

そろそろ方向転換しないと危ない、そういったことまで、含んでいることもある。




ユングの考えでは、夢の目的は、人格全体が無意識のなかにある貴重な潜在能力を使えるようにして、個性化を促進することである。

夢は<自己>の目的論的命令に従う。<自己>は人生における自分自身の実現に向けてたえず活動している。





何が完全な状態なのかを考えると、それには高いも低いも、熱いも冷たいも、すべてを含んでいる状態ということになる。

一方、自我の考える完全な状態は、○○が足りているといった、限定された状態。そして、すべてがそろった状態とは、相反する。

実のところ、たとえ○○が十分になっても、反対側の△△については、他の人より不十分だったりする。そして自我は、それを認めたくない。あるいは、必要としなかったり、見過ごしていたりする。

それを補完するのが、夢なのです。

人を、反対側もある程度足りた、豊かな状態にしようと、内界で活動している。




夢について深く考えない時、それは単に不可解なものだったり、時には、不愉快なものだったりします。

けれど、そこに隠された意味を汲み取るとき、それだけではないものが、見えてくるのかもしれません…





ユング心理学入門
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自己実現の心理学―元型論入門
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次回は、夢の象徴について…





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南方 城太郎

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生息地:関西
分類:昭和人間
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黒電話、赤電話が主流で、冷房は扇風機、暖房は石油ストーブと炬燵という時代


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