ユング心理学の視点から見た日記。スーパー戦隊シリーズ キョウリュウジャー、トッキュウジャー、東のエデンのレビューと感想。エニアグラム、子どもが育つ魔法の言葉、話が通じない人の心理、自分に気づく心理学。ドラマやアニメから学ぶ人生観。
 
加藤諦三 著「話が通じない人の心理」(青春文庫)より。



親しさを考える際にはナルシシズムはきわめて大切であると、加藤さんは あとがきの冒頭で述べておられます。この本では、「人と親しくなれる人」と対をなす存在として、「ナルシスト=話が通じない人=他人という現実がない人」が挙げられました。

人と親しくなれる人は、人が好きで、自分が好きな人。幸福にも、そういう土壌があるのです。(ほどよく)疑うことを知らない。(これも、ほどよくだけれど)平気で自分を、人前にさらけ出せます。基本的信頼が余裕につながり、落ち着いている。

この本でいうナルシストは、一見 自分が好きなようで、実は自分を好いてはいないのではないでしょうか。自分を好きだというよりは、ただ褒められたい。いい評価を得ようと、取り繕ってしまう。こういった点を考えながら、人と親しくなれる人と比べたら、どうなるだろう?


<人と親しくなれる人 ⇔ ナルシスト>

自分が好き ⇔ 素の自分に自信が持てない

人が好き ⇔ 人に興味がない

自分をさらけ出すのが平気 ⇔ 素の自分は見せたくない



ナルシストは何よりも褒められたい。

それは評価への渇望かもしれません。

ということは、褒められること――本当はありのままの自分が認められること――を欲し、飢えている。

けれど、どこかで空回りしてしまい、素の自分を隠し、背伸びして、結果、無理が露呈して失敗してしまいがち。


この本は実は、「話が通じない人」の本ではなく、「人と親しくなるには、どうしたらいいか?」という本だという。そしてその答えが、ナルシシズムの解消なのです。

本を通じて、ナルシストの特徴や考え方が述べられてきました。それは単に解説したというだけでなく、それをヒントとして、やがて解消しましょう、そういう道しるべなのです。

その第一歩が、自分にあるナルシシズムを反省すること。

確かに、人と親しくなれない人のすべてがナルシストだというわけではありません。ただ、そうであることが多いのも事実。絶対にそうだとは限らない、けれど傾向として現れるくらいには多い。なので、ナルシストという点を切り口に、話が進められたのです。


自分の中にナルシスト的な傾向が見えたからといって、自分を責めることはありません。既に書いてきたように、それは不幸な出来事であるような面も持つのです。ある一面をとれば、「そのようにさせられた」とも言えなくもない。上に書いた「飢え」という言葉が、それを表しています。

人と親しくなれる人は、幸運にも、満たされている。逆に、この本でいうところのナルシストは、不幸にも、満たされていない。むしろ、飢えている。しかもそれは子どもの頃からの飢えだったりするので、本人を責めることはできないのです。お腹を空かせている子どもに、おまえが悪いと言う人はいないのと同じ。

だから、責めることは無用で、ただ、変わった方がよい。


ナルシストは生きる目的が、「褒められること」になっている面があります。が、果たしてそれは、目的と言っていいものか? つまり、本当に生きていると言えるのだろうか? ということになります。

人はやがて、「生きる」ということを考えるようになります。というか、考えざるを得ないような布置に、巻き込まれていくものなのです。その際に、ナルシストは、この「褒められること」と「生きること」の混同が、目詰まりとなって顕現する。

誰しもが「自分は果たして、生きているのだろうか?」「自分はこれまで、生きてきたのだろうか?」、そういった壁にぶつかります。そしてそれは、ナルシストも同じだというわけ。


でも、物は考えようですよね。自分にナルシストの傾向があるのが分かるとつらいかもしれないけれど、逆にいえば、問題点が見えてきたともいえる。解決の糸口を得たとも、言えなくはないでしょう。



というわけで、この本はナルシストを批判するための本ではなくて、むしろ、どのように人と親しさを築けばいいのかという、建設的な一面を持った本なのです。

そんなことを近くに置きながら、もう少しこのシリーズを続けられたらと思っています。





「話が通じない人」の心理 (青春文庫)




スタンフォードの自分を変える教室







なぜ、変わらないといけないのか?

人であれ、社会であれ、変わらないと死ぬということは、あるのです。

場合場合ですが。





<<「第13回 いい子と他人になっている親」「第2部(1) 傾向と問いかけ」>>



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黒電話、赤電話が主流で、冷房は扇風機、暖房は石油ストーブと炬燵という時代


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