ユング心理学の視点から見た日記。スーパー戦隊シリーズ キョウリュウジャー、トッキュウジャー、東のエデンのレビューと感想。エニアグラム、子どもが育つ魔法の言葉、話が通じない人の心理、自分に気づく心理学。ドラマやアニメから学ぶ人生観。
 
大河ドラマ「龍馬伝」、第1話「上士と下士」より――



NHK大河ドラマ 龍馬伝 オリジナル・サウンドトラック Vol.1
NHK大河ドラマ 龍馬伝 オリジナル・サウンドトラック Vol.1



明治15年、土佐の地下浪人(じげろうにん)の家に生まれた岩崎弥太郎(香川照之)は、今や郵便汽船三菱の社長となっていました。

昔は貧しいボロ屋で地べたを這いずり回るような暮らしだったという彼も、今や巨万の富を手にし、政財界の方々を招待できるまでになった。

その岩崎弥太郎に、土陽新聞の記者・坂崎紫瀾(さかざきしらん:浜田学)が取材を申し込みました。

坂崎は、明治13年、高知で創刊されたばかりの新聞の主筆となり、9月からは明治維新期の志士たちが活躍する歴史小説「南の海血汐の曙」の連載を始めていました。

取材を渋る岩崎に、坂崎は「坂本龍馬という名前を御存知ですか?」と、水を向けてみます。

途端に、岩崎の顔が変わりました。

坂崎は続けます。「15年前、徳川幕府を倒したのは、実は、坂本龍馬という一介の浪士やった。それだけじゃありません。明治政府の枠組みを作ったのも、実は坂本龍馬。ほんで、坂本龍馬がおらんかったら、岩崎弥太郎は三菱を作っちょらんかったと…」

歴史に埋もれている大人物。ジャーナリスト・坂崎紫瀾は彼を発掘しようとしていたのです。

坂本龍馬について教えてほしいと乞う坂崎に、岩崎は言います。

「龍馬はのう、わしがこの世で、一番嫌いな男やった」、空を睨みつけるようにして、岩崎は言い放ちました。「あんな能天気で、自分勝手で、人たらしで、女子に好かれて、あればぁ腹の立つ男は、どこにもおらんじゃき!」

岩崎は最初、怒っているようでもあり、そのうち、泣いているようでもあり、最後には、笑っているようでもありました。



天保14年。当時、土佐藩では侍の間でも、上士と下士(郷士)という身分の区別が存在しました。土佐藩のそれは特に厳しく、差別が徹底されていたといいます。着る物や履く物まで決められており、例えば、下士は足袋や下駄を履くことも許されなかった。徹底的に、区別化、差別化がされていたのです。

下士に生まれれば下士のまま、どうあがいても上士にはなれない。生まれた時に、概ねの人生は決まってしまう。そういう時代でした。

弥太郎の家は、地下浪人の家。郷士株を売って居ついた浪人の家。“地下”(じげ)には、公的な地位をもたないという意味があります。



弥太郎には立派な地位はなかったかもしれない。けれど、勉学への意欲と才がありました。

父について鳥かご売りを手伝ったりしながら、暇を見つけては漢書を読む。

暇を見つけては勉強するというのは、立派な才能です。

弥太郎は目に入る汗に顔をしかめながら、読み続けました。



ある日のこと、弥太郎は子供たちの中に、川に飛び込めずにいる気弱な少年を目にします。

それが9歳の坂本龍馬(濱田龍臣)でした。


川に落とされたと泣いて帰る、龍馬。姉の乙女(土屋太鳳)は、それぐらいで泣くなと言います。

長兄・権平(杉本哲太)にも呼び出され、それでも侍の子かと叱られる始末。父・八平(児玉清)にも、侍らしくしないといけない、とお目玉を喰らいました。

坂本家の先祖は百姓で、3代目の次男が商人として成功。6代目が郷士株を買い、長男を郷士坂本家として分家させたといいます。

坂本八平こと、直足は白札郷士の次男で、坂本家に婿養子として入りました。彼が郷士としての坂本家の3代目当主となります。


お前も坂本家の侍である、その誇りを決して失ってはいかん、龍馬は八平より、そうきつく言い聞かされました。



弱虫で頭も悪く、怒られてばっかりだと自分で言う、龍馬。

けれど母の幸(草刈民代)は、決してデキの悪い子ではないと言います。「あせらんでもええが。龍馬はきっと、立派なお侍になるき。母はそう信じちゅう」

病弱な母でしたが、龍馬にはかけがえのない存在でした。



文武共に優れたといわれる、姉の乙女。

剣術に水泳にと、龍馬を鍛えようとします。

その迫力から、お仁王様と子供たちから怖れられていました。



ある雨の日、カエルに驚いた龍馬は、上士を突き飛ばしてしまいます。

無礼討ちにされそうになる、龍馬。

それを救ったのは母・幸でした。

雨中の必死の訴えにより、龍馬の命は救われました。

けれど、それが幸の命を縮めることになります。

雨に当たったことで幸の持病は悪化。ほどなくして亡くなってしまいました。



「龍馬、おまんは決してデキの悪い子じゃないき。きっと、立派なお侍になるき。母はそう信じちゅう」

その言葉を思い出し、木刀を振るう、龍馬。

誰に言われるでもなしに、何度も振り下ろします…



時は流れて嘉永5年、龍馬(福山雅治)は17歳に。

気弱で小さかった男の子は、よく笑う大きな青年になっていました。

相変わらず身分の差別はありましたが、それに負けない大らかさを持っていた。



岩崎弥太郎の方はというと、貧しいながらも学問に励み、私塾を開いている岡本寧浦(おかもとねいほ:ベンガル)も認めるほどに。ついには、塾頭に推挙されるのでした。

このまま行けば私塾の跡取りに。弥太郎は心を躍らせます。



龍馬は、剣術の腕を磨いてました。

飄々とした性格ですが、剣の腕は目を見張るものがあり、武市半平太(大森南朋)の道場で岡田以蔵(佐藤健)らから簡単に一本取ることも。



剣術の腕は上達しましたが、龍馬の心にはもやもやしたものが。

姉・乙女(寺島しのぶ)との会話中、「わしは、こんまい道場は嫌じゃ」との言葉が出ます。

こんまい道場、こんまい世界。



ある夜、酔っ払った上士に、井上正太郎(小久保丈二)が斬られてしまいます。

あまりの理不尽さに憤る武市道場の面々。怒りに震え、涙が止まりません。

けれど、相手に報復すれば、こちらの親兄弟すべてが死罪になりかねない。

何もできないことが、かえって拳を震わせます。



龍馬は井上家を訪れて、子供たちを慰め、励ましました。

その帰り、龍馬は弥太郎と出くわします。

本当に子供たちを不憫に思うなら仇を討ってやれ、お前の腕なら誰が相手でも斬れるだろう、弥太郎はそうふっかけました。

が、そんなことはできないのは承知しています。弥太郎は、「どんだけ剣術ができたち、所詮、役には立たんのう」と笑いました。

そして真剣な顔をしたかと思うと、「龍馬、わしほど頭のええ奴はおらんきに。わしゃ誰よりも、ずっとずっと偉うなっちゃる。この世の中をうもうに渡っていけるがは、この岩崎弥太郎だけぜよ」、そう吠えました。



その弥太郎に、思いがけないことが続きます。

何と、師である岡本寧浦が倒れてしまったのです。

そして、上士がその跡を継ぐことになりました。

弥太郎の夢は儚くも消え去ったのです。



同じ頃、龍馬は武市から相談を持ちかけられていました。

井上を斬った上士はお咎めなしとなった。下士は抑え切れないほどのうっ憤を溜め込んでおり、このままでは戦が起こりかねない。

戦はいかんですろ、と言う龍馬に、武市は、おまんはただ無難に生きとりたいだけなんか? と。

坂本龍馬という人間は未だによう分からん、武市はそう漏らしました。

その向こうでは、自棄酒を飲む弥太郎の姿が。

龍馬は慰めようとしますが、唯一の頼みの綱を切られた格好になった弥太郎の耳には、誰の言葉も入りませんでした。



運の悪いことは続くもので、弥太郎は上士にぶつかった上に、暴言まで吐いてしまいます。

その男こそ、井上を斬った上士でした。

そこへ駆けつける、龍馬。

龍馬は弥太郎に代わり、懸命に謝罪します。地に頭をつけて、謝る。

そんな龍馬を、上士は蹴り飛ばし、笑いました。


「下士も、人間ですきに。上士と同じ、人間ですきに」

龍馬は手をつき頭を下げ、下駄で殴られながらも、そう言いました。

手は出そうとしませんでしたが、「同じ、人間ですきに」と、繰り返し続ける。



斬られても構わないという弥太郎、つまらんことで命を棄てるなという龍馬。

あるもんは使え、頭がええならそれを使え、それを使って世の中を渡ったらいい。

それは生きてなければできない。



龍馬は、上士に振り上げた刀を下ろさせた人を知っていると話します。

それは母・幸。

病弱な母が上士を動かした。

自分の命を救った。

これが何を意味するのか?


この土佐は、下士が上士に虐げられ、もうみんな(このありようが)変わらないと思っている。

けれど、自分はそう思わない。

母が上士を動かしたのだから、土佐もいつの日か変わるかもしれない。


それは勝ち負けの話ではない。

下士も上士もなくなるということ。

決められた硬い枠は吹き飛び、同じになる。


どうしたらそうなるのかは分からない。

毎日毎日考えているが、分からない。

分かっているのは、喧嘩では変わらないということ。

上士と争ったところで、何も変わらない。

母がやったことは、そういうことではなかった。


「母上が教えてくれたがじゃ、憎しみからは何も生まれん」


弥太郎は泣きたくなって、泣いた。

この話を聞いていた乙女も、涙を流しそうになった。

武市半平太は胸が震えるのを感じた。


龍馬は、普段から思っていることを、少し出した。



龍馬の言葉が、種になった。

種を受けた者は、おかしなことを考え、言い始めた。

種を否定したい者もいたが、無視はできなかった。

種は、

種は時間と栄養さえあれば、育つ。



海原を見つめる龍馬に、乙女は言いました。

「海は広いのう。海に比べたら、土佐はこんまい」
「お前の探しゆう答えは、ここにはないがかもしれんの」



この世界は、こんまい。

そして、海は前に広がっている。




この時、龍馬は自分が何者で、何をする男か、知りませんでした。

いや、龍馬だけでなく、誰も知らない。




その龍馬を揺さぶる男が、日本に来ようとしていました。

パイプを吹かしながら…





龍馬伝 前編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)
龍馬伝 前編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)




女系が強そうな坂本家。食事シーンが 怖ろし 面白かった。

岩崎弥太郎、アクが強いですね。こういう役って、演じる方はやりがいがありそう。

坂の上の雲もそうでしたが、着るものや髪の毛まで土臭くて、相当凝ってますね。テレビはデジタルになるし、カメラはプログレッシブカメラだしで、臨場感があります。

さて、龍馬伝の中の人たちは、どんな生き方をするでしょうか?

楽しみです。





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大河ドラマ「龍馬伝」、第2話「大器晩成?」より――



NHK大河ドラマ 龍馬伝 オリジナル・サウンドトラック Vol.1
NHK大河ドラマ 龍馬伝 オリジナル・サウンドトラック Vol.1



家長代わりになっていた長男・権平(杉本哲太)に呼び出された、龍馬(福山雅治)。

何故か、呼ばれていない姉・乙女(寺島しのぶ)が同席し、御用を伺う前に龍馬から話があると、切り出します。

龍馬は江戸に行かせてくれと、頭を下げました。

自分は生まれてこの方、土佐を出たことがない。だから、一度でいいから、世の中というものを見てみたい。

そう言って、龍馬と乙女は頭を下げました。

しかし、父・八平(児玉清)は、もっと己のことを真面目に考えろと言い、取り合いません。土佐のことも分かってないのに何が世の中か、というのです。

そんな龍馬に、権平は、堤防工事の差配役を命じるのでした。

しかも、百姓を集めて、20日以内に堤を仕上げねばならないという。

八平は、「世の中を見たいがやったら、働くがが一番ぜよ」、そう言い置きました。



事の顛末を聞いて、武市道場の面々は大笑い。

だいたい、本を読むところも見たことがない、字も下手、そんな奴が江戸に行ってどうするのか、と平井収二郎(宮迫博之)らは笑います。

江戸に行くなら、文武両道の武市半平太(大森南朋)だろうと。

けれど、当の武市は、土佐にいても学ぶことはできると言います。

ただ、その表情には、また別のものも…



さっそく堤防工事の差配に出かける、龍馬。

といっても、何分、経験がありません。何を指示していいのかもよく分からない。

退屈していると、村の小さな娘がにぎり飯を置いていきました。

何かと思って追いかけると、そこには農作業をする母と娘の姿が。

二人は頭を下げて、わたしどもにはそれが精一杯なのでございます、と謝るばかり。

さて、どういうことでしょう。



工事現場に帰った龍馬ですが、今度は百姓同士で喧嘩が始まってしまいます。

至る所で取っ組み合いが始まり、収集がつかない状態に。

この工事には二つの村から人が駆り出されているのですが、この村々は田の水をめぐりいがみ合っている間柄なのでした。



岩崎弥太郎(香川照之)は、またしても悶々としていました。

というのも、加尾(広末涼子)から龍馬の江戸行きの話を耳にしたからです。

このままではどうにもならないと考えた弥太郎は、大事にしている本を売りに出そうかとさえ考えます。

けれど、弥太郎の母・美和(倍賞美津子)は、それを戒めます。そして、床の下から、壷を取り出すのでした。

壷の中には、たくさんの銭が。

「暮らしはどうにかなる。おまんのとり得は、学問じゃ。本だけは売ったらいかん」、そう言って美和は笑いました。



差配に音を上げる龍馬を、八平は情けないと言います。そんなことでよく江戸に行きたいなどと言えたものだと。

しかし、妻の伊與(松原智恵子)に言わせれば、歳をとってからできた龍馬のことになると、八平はむきになりすぎると。

八平は、龍馬に性根の座った男になってほしいのだと言いますが、伊與は、龍馬自身もそう思ったから江戸に行きたいと申し出たのではないかと。

もう少し龍馬を大人扱いしてもいいのではないか? 伊與はそう言います。



龍馬は、堤防工事のことで頭を抱えてました。

が、散々分からん分からんと転がりまわった後に、風車が回るのを見て、何かを思いつきます。



街で武市と出くわした、八平。

八平は茶を呑みながら、龍馬もおまはんのように出来がよかったら、そう漏らします。いくら剣術の腕が立っても、あれでは先が思いやられると。

しかし、武市からは思いがけない言葉が返ってきました。

「龍馬は、お父上が思うちょられるような男じゃないかもしれんがです」



翌日、龍馬は現場に酒を運んできました。

酒を酌み交わすことで、関係を修復しようという心積もりのようでした。

何とか盛り上げようとする龍馬。

三味線片手に唄まで披露しますが、うまくいきません。

それどころか、下士と百姓は同じではない、と言われる始末。

百姓も、上士は認めても下士は認めず、見下しているようでした。

役立たずの侍モドキとまで言われてしまいます。



龍馬はそれに怒るでもなしに、先のにぎり飯の母娘の話をしだしました。

この川は毎年のように氾濫し、多くの人が苦しんでいる。あの向こうにある家では、女しかいないそうだ。男はみんな、洪水で命を落とした。

残された母親と娘は、工事する我々のことを、仏様のように思ってくれている。洪水を止めるために働いてくれているみんなに、心の底から感謝している。

「わしらに任されたがは、大事な仕事ぜよ。この堤作りには、人の命がかかっちゅうじゃがき」

気に入らないことがあったら自分にぶつけてくれればいい。何なら、殴ってもいい。その代わり、この仕事だけは、最後までやり通してほしい。

龍馬は、土下座して頼みました。



けれど、竜馬の必死の訴えも届かず、百姓たちは帰ってしまいました。



その様子を見ていた八平は、龍馬の通う日根野道場を訪れます。

そして、師範・日根野弁治の目から見て龍馬はどう見えるかと、訊ねるのでした。

自分の見方は間違っているのではないかと思った八平は、他者の目から見た龍馬を知ろうとしたのです。


龍馬は、日根野の目から見ても、剣術の腕は相当なもの。強い。

強いけれど、足りない。

足りないけれど、大きい。

大きいけれど、分からない。


分かっているのは、今まで見てきた大勢の弟子の中に龍馬のような男はひとりもいない、ということ。



岩崎家では、弥次郎(蟹江敬三)が酔って帰宅しました。

おかしいと思った弥太郎は床の下の壷を調べますが、中身は空っぽ。

弥次郎が酒と博打に使ったのです。

情けない父の姿に、涙を流す、弥太郎。

この世には神も仏もないのかと、嘆きます。



その弥太郎が目にしたのは、工事現場で差配する龍馬の姿。

これは面白いと近寄ろうとした弥太郎でしたが、弥太郎より先に加尾が龍馬のもとへ。

加尾は龍馬のために弁当を持ってきたのでした。

益々神も仏もないものかと思える、弥太郎。



加尾は自分に縁談の話が来ていることを、龍馬に話します。

そして、受けた方がいいかと、訊ねるのでした。


龍馬は、受けた方がいいと言います。

これにショックを受けた加尾は、弁当を取り上げると、自分の気持ちを打ち明けます。

小さい頃から、ずっとずっと好きだったと。

そして、泣きながら帰ってしまいました。

残された龍馬は、茫然自失。

手元に残った箸を見つめるばかりでした。



差配もうまくいかず、加尾の気持ちも知らず、何もできず、何も知らない。雨の中、龍馬は項垂れます。

「わしは、人の気持ちが、分かっちょらん。何ひとつ、分かっちょらん」


雨で百姓たちが引き上げた中、龍馬はひとりで作業を始めました。

泥に足を取られながら、土嚢を運びます。

濡れて、こけて、泥だらけになりながら、作業を続ける。


「わしにゃあ、わしにゃあ、何じゃぁできんがじゃ。わしには無理じゃ」

龍馬は、己の無力さを痛感しました。



が、雨の中に、人の姿と声が。

この仕事が終わるまでは喧嘩は止めてやる。

百姓が、堤防工事のために戻ってきてくれたのです。


心の底から感謝する、龍馬。

雨の中に、やるぞ! との声がかかり、多くの人が動き始めました。

そしてその中に、あの母娘の姿もありました。

深く深く頭を下げる、母娘。



16日後、堤は完成しました。

藩から命じられていた、期限ちょうどだったといいます。

堤のできに、坂本家でも龍馬を見直す声が。

八平は煙草をくゆらせながら、何事かを考えている様子でした。



ひとりではできん。

でも、大勢ならできる。

大勢は揉めるもと。

揉めていてはできん。

大勢が、目的のため、遺恨を収めて力をあわせると、大きなこともできる。

龍馬は、後の偉業につながる、その根本を知ったのかもしれません。



ある日のこと、龍馬はめずらしく酒に酔った父と出くわしました。

龍馬はあらためて、江戸行きを父に懇願します。

此度のことで骨身に沁みて分かった。自分は人に助けられて生きている。今のままではいかんと思う。ひとりで生きてみたい。この土佐を出て、広い世の中を見てみたい。

が、八平は、広い世の中を見たいという曖昧な理由では江戸にはやれんと言います。

「龍馬、江戸に行きたいがやったら、龍馬、わしを納得させる理由を見つけよ」

そう言って差し出した父の手には、江戸の千葉道場への紹介状が。日根野が書いてくれたものでした。

「おまんのとり得は、剣術だけじゃ。その腕を、江戸で磨くのいうのやったら、わしゃ認めてもええ。千葉道場の猛稽古に耐えられるかい?」

龍馬は父の期待に応えることを誓いました。

武士と武士、男と男の誓いです。

「行け、龍馬。土佐を出て、江戸に行ってき」

龍馬は何度も何度も、頭を下げました…





龍馬伝 前編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)
龍馬伝 前編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)



龍馬伝 (NHKシリーズ NHK大河ドラマ歴史ハンドブック)
龍馬伝 (NHKシリーズ NHK大河ドラマ歴史ハンドブック)





人の中で悩む、龍馬。

どうにもならない状況に悩む、弥太郎。

龍馬の父・八平は、はじめ龍馬にイライラしていましたが、武市の助言もあって、息子のことをよく見ようとしてみます。

そこで何か感じるものがあったようでした。

八平は、龍馬の願いと自分の価値観の折衷案として、江戸で剣の腕を磨くのを条件に、息子を送り出します。

イライラするものも、よく見ると思わぬよい面があるもので、それを見ようとし、また、人の目も頼りにし、そうやって折衷案を出した八平は、すごいなと思います。

また、福山雅治さんと児玉清さんの演技もよかった。

福山さん、顔色まで変わってました。すごい。

次週は江戸への旅ですか。

さて、弥太郎がどうからむんでしょうね…





<<「第1話 上士と下士」「第3話 偽手形の旅」>>





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大河ドラマ「龍馬伝」、第3話「偽手形の旅」より――



龍馬伝 前編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)
龍馬伝 前編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)



嘉永6年(1853年)の春、藩からの許しを得て、龍馬(福山雅治)の江戸行きが正式に決まりました。

武市道場の仲間たちに別れの挨拶をする、龍馬。

平井収二郎(宮迫博之)や岡田以蔵(佐藤健)は、からかい半分、本気半分で、心配します。

そんな中、武市半平太(大森南朋)は、「江戸で1年も学べるいうことは、きっと一生の宝になるろ。おまんは、ひと回りもふた回りも、大きい人間になって帰ってくるがじゃ」、そう言って励ましました。



同じ頃、岩崎弥太郎(香川照之)は、藩の実力者・高柳重光(佐藤旭)の屋敷に入り込み、自分ほど頭のいい下士はいないからと、江戸行きを懇願していました。

弥太郎は、土佐を抜け出そう、江戸に行こうと、必死だったのです。

この現状を、どうにかして打破しようと。



龍馬は神社で、平井加尾(広末涼子)と鉢合わせになりました。

加尾は、龍馬が無事に帰ってこれるようにと、願掛けをしていたのです。

縁談話の件があったからか、どこかぎこちないふたり。


龍馬は敢えてその話を持ち出すと、続けて、「わしは、おまんが好きじゃ」と、告げました。ただし、女として見ているのか、妹のように思っているだけなのか、自分でもよく分からないと付け加えます。

それに今、自分は世の中のことを知りたい。自分が何を成すために生まれてきたのかを、江戸で探さなくてはいけない。龍馬は正直に、そう告げました。

男の正直は、時に、女を傷つけるようです。

加尾は、この神社に来たのはよい縁談をありがとうと御礼に来たのだ、と、できるだけ平静を装って話しました。


思いやり、相手のことを想うのか、一般論を思うのか。

人の心と、世の道理。

同じでもあり、同じでもなし。



龍馬は、父・八平(児玉清)より、江戸での修行に対する心得を賜りました。それを、兄・権平(杉本哲太)が読み上げます。

片時も忠孝(主君への忠義と、親への孝行)を忘れず、修行第一にすること。無駄遣いをしないこと。色情にうつつを抜かさず、天下国家について考えるのを忘れぬこと。

それらがしたためられた書を、龍馬は大事に懐にしまいました。


家族に見送られる、龍馬。

乙女(寺島しのぶ)は、「大きゅうなって戻っておいで、龍馬」と、言葉を送りました。



江戸への案内役として同行したのは、溝渕広之丞(ピエール瀧)。彼もまた、江戸で学問と剣術を学ぼうとしていました。知り合いだった八平が、彼に同行を頼んだのです。

故郷を振り返った龍馬は、そっと見送ろうそしていた加尾を目に留めます。

ふたりは黙って会釈し、しばらく見つめあいました。



険しい山を越え、川を渡り、龍馬と溝渕は江戸に向かいます。

まだ城下を出て間もない頃、山中で怪しげな男が近寄ってきました。

龍馬は身構え、何者かと問いますが、傘の下から出てきた顔は、弥太郎。


弥太郎は通行手形を見せ、藩から許しが出たから、自分も同行すると言い出します。

そして、藩は金までは出してくれなかったので金のことは頼む、とも。

こうして、随分手前勝手な同伴者が誕生しました。



旅の途中途中では、番所を通らねばなりません。

まずは、土佐・立川番所。

役人は通行手形を検分します。

溝渕、龍馬は、通行の許可が出ました。

ところが、弥太郎が番所に名乗った名前は、“くらたやすべえ”なるもの。

番所の許可は出ましたが、龍馬と溝渕は顔を見合わせます。



弥太郎は、自分で偽手形を作ったのでした。

呆れる龍馬と溝渕。ばれたら打ち首ものです。

しかも、番所は次々とある。


どうしてこんなことを、そう漏らす溝渕に、弥太郎は自分のことを話します。

ずっと身分の低い地下浪人が土佐にいて、何のいいことがあるだろうか。上士に虐げられ、地べたを這いつくばって生きるしかない。その上、親父は毎日、博打と喧嘩に明け暮れている。このままでは、土佐で埋もれて死ぬだけだ。

弥太郎はめずらしく龍馬の前で手を突き、一緒に連れて行ってくれるよう頼みました。江戸で学問をしたいのだと。



偽手形がばれたら溝渕にも迷惑がかかる。龍馬は同行を断りました。

それでも弥太郎は、勝手についてきます。

いくら走っても、追いかけてくる。



その頃、弥太郎がいないことに、家の者が気づき始めていました。

弥太郎の父・弥次郎(蟹江敬三)は、息子を捜し回ります。



武市は、普段と変わらぬようでありながら、何故か、悶々としているようにも見えました。

あなたも江戸に行きたいのではないか? 妻の言葉が思い出されます。

しかし、武市には病気の祖母がいる。

父母を亡くしている武市にとって、祖母は親も同然でした。

それを置いて江戸に行くわけにはいかない。


しかし、抑えても抑えても、腹の底から湧き出るものがあるようでした。

顔がどんどん、険しくなる。



平井家では、加尾が収二郎に、見合い話を断るように願い出ていました。

こちらも気持ちが抑えきれないようで…。



とある宿場で、弥太郎は揉め事に巻き込まれます。

弥太郎を弥次郎の子と知る男につかまり、親父の借金を返すように迫られたのでした。

龍馬はそこに割って入り、この男は“くらたやすべえ”だ、人違いだと、連れ戻そうとしました。

しかし、面が割れてしまっています。

なかなか引き下がらないヤクザ者に対し、龍馬は仕方なく大立ち回り。

といっても、相手は剣に関しては素人です。

龍馬は、何とか血を流さずに、相手を撤退させることができました。



騒動が治まったのに、龍馬は浮かぬ顔。

「わしは人間ができちょらん」と言い出します。あんなことで刀を使ってしまうとは、父上に申し訳が立たない。「わしは、まっこと、未熟者ぜよ」と、龍馬は肩を落としました。



夜が明ける前、龍馬は弥太郎と語り合おうとしました。

父は厳しいが、自分のことを心底、想ってくれている。おそらく、弥太郎の父上だってそうだろう。

が、その言葉に、弥太郎は憤慨します。

なおも語りかける、龍馬。

確かに、自分は恵まれているのかもしれない。けれど、自分は自分なりに覚悟をして土佐を出た。この先どうなるか分からないのは、自分も弥太郎も一緒だ。


ところが、これに弥太郎が大いに反発。

お前は飢えたことがあるのか? その日の食い物が何もなくて、ひもじくて起き上がることもできない。何でこの世に生まれてきたんだろうか? 明日の朝には、家族の誰かが死んでいるかもしれない。そんなことを考えたことがあるのか? そう食って掛かります。

百姓同然に畑を耕しながら、鳥籠を売りながら、這い上がりたい、這い上がりたいと、必死で本を読んだ。

けど、どんなに頑張っても、誰も助けてくれなかった。地べたに頭を擦り付けて頼んでも、自分を江戸にやろうという人は現れない。それなのに、お前は…

自分は何もかも棄ててきた。何もかもだ。

「おまんと一緒にするな!」


龍馬は、返す言葉もありませんでした。



やがて海が見えました。

もうすぐ、四国最後の番所に着きます。

龍馬はあらためて、弥太郎に一緒に行こうと声をかけました。

弥太郎の本気は聞かせてもらった、力になる、と。



そして迎えた、讃岐の多度津陣屋。

滞りなく通行許可が出るところでしたが、役人は不審な点に気づきます。

筆遣いにはそれぞれ風格がある。弥太郎=“くらたやすべえ”の通行手形には、気になる点があるというのです。

一気に不穏な空気が漂い始めました。弥太郎のみ、別室で吟味する旨が言い渡されます。

龍馬は何とか誤魔化そうとします。今までは何ともなかった。それにこの男とは共に旅をする身であり、今日の船に乗らねばならない。

が、弥太郎は自分とこの男たちは関係がないと申し出ました。アカの他人だと。

龍馬たちを送り出すために騒動を起こす、弥太郎。


わしは江戸には行かない。土佐に帰らせてもらう。その面は二度と見たくないから、とっとと行ってしまえ。

不器用ですが、弥太郎なりの気遣い、あるいは、恩返しだったのかもしれません。

あるいは、借りを作りたくはないということでしょうか。



龍馬と弥太郎は、讃岐で別れることになりました。

龍馬と溝渕は、船で海を渡ります。

弥太郎を心配する龍馬に、溝渕は、「あいつは、わしらを巻き込むまいとしたがぜよ。自分の志を、おまんに託したがじゃ」と。


その時、岸壁の岩の上に弥太郎の姿が見えました。

何とか逃げおおせたようです。

遠いのでよく聞こえませんが、何かを叫んでいるようでもありました。


龍馬は弥太郎に大きく手を振りながら、叫びます。

「分かった、分かったちゃ。おまんの志も、わしが、わしが背負うて江戸まで行っちゃる。行っちゃるき~!」



若干の行き違いがあるようでもありますが、ともかく、龍馬は海を渡ります…





龍馬伝 (NHKシリーズ NHK大河ドラマ歴史ハンドブック)
龍馬伝 (NHKシリーズ NHK大河ドラマ歴史ハンドブック)





弥太郎の、歯に、口(あるいは、下あご、下唇)。いいですね~。いい意味で、漫画や劇画みたい。

こういうのって、演者さんや、メイクさん他のスタッフさんも、やったった感がありそう。

ピエール瀧さんの、いつの間にかひとりでしゃべっていることになってしまうキャラ、も面白かった。

来週は、「よいよい、はっ♪」ですね…





<<「第2話 大器晩成?」「第4話 江戸の鬼小町」>>





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何かと怒りをぶつけられることの多い、NHK大河ドラマ「龍馬伝」の坂本龍馬。

当時の土佐には、上士と下士という明確な身分制度があり、下士は上士に差別されています。

居住する地域も違えば、着る物や履く物も区別され、すれ違う時には道を譲り、頭を下げねばならない。

上士は絶対的な支配者として、君臨していたようです。



龍馬は、下士に属します。

度々上士に虐げられたりもする。

その龍馬ですが、何故か、農民にバカにされたり、同じ下士である弥太郎に食って掛かられたりもします。



堤防工事の差配を取った際、龍馬は農民に、いろんなことを言われました。

侍には百姓のことは分からない。
下士と百姓は同じではない。むしろ、見下している。
土佐の国を動かしているのは上士。そして米を作っているのが百姓。下士は何もしてない。いったい下士は何のためにいるのか? 土佐に要らないのは、下士と犬のクソだ。役立たずの侍もどきめ。

えらい言われようです。

まあ、他での不満も溜まっており、それが下士という口実を得て、それでぶつけられた感があるのですが。



弥太郎は、龍馬が失敗すれば喜び、龍馬が何かを成そうとすると悔しがります。

龍馬が同じ下士だと言っても、弥太郎は同じではないと反発します。

実際、身分は同じでも、境遇はまったく違う。

坂本家の本家は城下屈指の豪商であり、食べる物・着る物に困ることはありませんでした。

一方、岩崎家は貧しさの中にありました。

弥太郎はその中で、学問を拠り所にし、現状を打破しよう、立身出世しようと歯を食いしばっています。



同じであって、同じでない。同じであるはずなのに、決して同じではない。

同じカテゴリにいながら、大きな差がある。

こういうのは、もやもやや悶々の始まりになりやすいところは、あるかもしれません。

ま、弥太郎と龍馬の場合、弥太郎が一方的に恋敵としていたり、性格の違いというところも、関係がありそうですが。



本題に戻ると、農民であれ、弥太郎であれ、一番文句を言いたい相手は、上士だったのではないかと思います。

支配階級にあり、それ以外を蔑む者たちこそ、怒りの対象だと思えるのですが、実際に怒りをぶつけるというのは、あまりなさそう。

といっても、食って掛かろうものなら斬り捨てられるので、そうそう怒りをぶつけるわけにもいきません。



こういう布置って、現代でもありますよね。

ある対象Aに向かって怒ればよさそうなものを、Aには怒らず、Bに怒りをぶつけたりする。

こういうのは、誰にだってあると思います。

怒りや情動がこんがらがって、よく見てみると、訳の分からないことになっていたりする。



下士に怒りがぶつけられるのは、そうしやすい というのがあるのかもしれませんね。

また、その中でも、龍馬には、更に 言いやすい 部分があるのかもしれません。



怒りをぶつけやすいと言われても、そんなものは困る。確かに、その通りです。

けれど、ちょっと見方を変えると、それだけ人徳があるということなのかもしれません。

あるいは龍馬の中に、また別の理由みたいなものが、隠されているのかもしれませんね。



ま、何にしても、人間というのは、腹の中にあるものをどこにも出さないでは生きていけないわけで、あまりに中のものを出すのを拒むと、ふとした時、あるいは、まったく関係のない時、場違いな時、よく分からない時、そういう時に噴出したりしてしまうので、多少不細工でも、時々は出してしまった方がよいようです。



そう考えると、龍馬のように、相手の中にあるものを出させる人物、出させるだけの何かを持つ人物というのは、貴重なのかもしれませんね。



ただ、出すには出すで、出し方というものもあるので、現実では難しいところがあるかな。



現実問題、そして現代社会の問題として、そういうものを出す相手や、出す場、そういうものの不足というのも、あるような気がします。

きりきりきりきり、もやもやもやもや、悶々悶々、その正体が何かは分からないし、それぞれによって同じではないのでしょうけども、そういうものに行き先をつけるというのは、大事なのかもしれません。

こういうものは往々にして悪者とされ、消し去るべき、抑え込むべき対象として見られがちですが、そうすることで余計に力を持ったり、場違いなところで現れたりするのだから、出すべきところで出すことを、もうちょっと考えた方が気が利いているのかもしれません。



ちょっと汚い話になりますが、ウ○コも、溜めてばかりじゃ体を壊します。

それは出すべき場所――この場合はトイレ――で出せばいい。

感情やなんかも同じで、そこそこ適切な場所や、そこそこ問題のない場所で、出した方がいいのかもしれない。



そういうことも、ありそうですね…





飛ぶ教室 (岩波少年文庫)
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いろんなケースが、あるんでしょうけどね…





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大河ドラマ「龍馬伝」、第4話「江戸の鬼小町」より――



龍馬伝 前編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)
龍馬伝 前編 (NHK大河ドラマ・ストーリー)



龍馬(福山雅治)と溝渕広之丞(ピエール瀧)は、ついに江戸に到着しました。当時の旅といえば、船で海を渡るほかはほとんど徒歩。土佐から江戸まで、30日かかったといいます。

人の多さとその活気に、龍馬たちは驚きました。

しかも江戸では、侍より、町人や商人の方が活き活きして威勢がいい。

橋の上で見世物をする者、大八車で荷物を運ぶ者、相撲取り、大工、客引きに駕篭かき(かごかき)、様々な人が集まり、活発に動いている。



ふたりは、築地の土佐藩中屋敷の一室に住まいます。

龍馬はさっそく、挨拶をすべく、千葉道場に出かけました。


北辰一刀流の開祖・千葉周作。その実弟が、千葉定吉(里見浩太朗)。

定吉は桶町に道場を開いていました。兄・周作の道場と区別するため、桶町千葉道場、あるいは、小千葉道場と呼ばれます。



中に通された龍馬が見たのは、子供たちが竹刀を振るう姿。女性の姿も、多く見られます。

全国の猛者たちが集まっていると思っていた龍馬は、少し拍子抜けしてしまいました。

龍馬は子供たちを指導している男に挨拶します。

彼が千葉定吉の長男・重太郎(渡辺いっけい)でした。


近頃は女子供、商人たちの入門が増えてきた。何にしても門人が増えるのは嬉しいことだ。道場を江戸で営むのはなかなか苦しいものがある。

重太郎は、はきはきと、取り繕うでもなしに、説明します。どうやら腹の中に何か隠すような性分ではないらしい。明朗快活な、気持ちのよい男のようです。



龍馬は道場に太鼓を入れることを提案しました。

太鼓に合わせて剣を振ったら楽しいし、ちょっとした評判になるかもしれない。

既成概念に囚われない、龍馬らしい発想です。

重太郎は龍馬のことを、面白い男だと思ったようでした。



奥の道場に通された龍馬は、そこで先ほどとは違った千葉道場の姿を見せ付けられることに。

響き渡る竹刀の音と、気合声。

どれも途切れることを知らない。

つばぜり合いから壁に叩きつけられる者、複数の人間を相手にする者、先ほどの大道場から一転、熱気にあふれる風景でした。



いったん稽古が中断され、龍馬が定吉に挨拶することに。

太刀筋が見たいからと、定吉は、女剣士・佐那(貫地谷しほり)に龍馬の相手をさせます。

女が相手ということで龍馬は面食らいますが、本当に面食らったのは、はじめの声がかかってからでした。

面に、小手に、胴にと、佐那の鋭い竹刀が飛びます。

打ち返すことなど到底無理、まともに防ぐこともできない。

小手を防げば面を打たれ、面を防げば胴を打たれる。連打、連打、連打。

龍馬は何もできませんでした。


もう一度やらせてほしいと訴える、龍馬。

そんな龍馬に定吉は言います。佐那はわしの娘で、この道場に佐那に敵う者は誰もいない。



佐那のことは溝渕も評判を聞いていました。何でも“千葉の鬼小町”と呼ばれ、見た目はかわいらしいが剣を持ったら鬼になると言われているらしい。

確かに、鬼のような強さでありました。



土佐では、武市半平太(大森南朋)が門人を集めようとしていました。

若い者に声をかけ、道場で剣を教え、学問も教える。

そして、天下国家をも語りました。



同じ土佐の岩崎弥太郎(香川照之)は、鳥籠を売る日々が続きます。

しかし、心は晴れない。

いつまでこんなことをやっているのか?

自分で自分が嫌になります。



その二人がばったり出会いました。

親切心からか、武市は弥太郎を道場に誘います。

けれど、弥太郎は反発。

武市の龍馬に対する気持ちを見抜き、「武市半平太にも嫉妬いうもんがあったかえ」と、捨て台詞を残して行ってしまいました。

武市の奥に龍馬への嫉妬があったかどうかは分かりませんが、土佐にくくられている自分の境遇に、言葉にならない何かがあるようではありました。



剣の稽古に励む、龍馬。

その様子を手紙に書き、土佐の家族にも送りました。

千葉道場は噂に違わぬ大道場で、侍だけでなく子供や町人まで大勢が通っている。けれど、自分に課せられている稽古は壮絶の一言で、体の痣や手足の腫れが後を絶ちませんが、決して挫けることなく稽古に精進します。みなさん、龍馬は江戸の空の下で、頑張っています。

龍馬らしくない立派な手紙に家族みんなが満足する中、なぜか乙女(寺島しのぶ)だけは御不満な様子。

「江戸で何をしちゆうがじゃ、龍馬は!」と、たいそう御立腹です。



重太郎によれば、定吉は佐那が歩き始める前から竹刀を持たせたといいます。そして、道場の切り盛りなど考えなくていいから北辰一刀流の真髄を極めろ、そう託したとも。

「女子(おなご)を手本にするいうのも、面白いもんぜよ」

頓着なく学ぼうとする龍馬に心を動かされたか、重太郎は稽古の方法を教授します。



稽古の後、龍馬はばったりと会った佐那に、いつもそんな風なのかと訊きました。腹を抱えて笑い転げるとか、酒に酔ってふわっとなるとか、そういうことはないのかと。

ありません。

佐那の返事はそっけないものでした。

まるでそんなものなど必要ないとでも言いたいかの様子。



龍馬に、乙女から手紙が届きました。

お前は剣術をするためだけに土佐を出たのか? 広い世の中を見るという大事な目的はどうした? 初心を忘れてはいけない。

期待に反した内容とその素っ気なさに、龍馬はびっくり。

思わず頭を抱えて畳の上を転がります。


が、溝渕は乙女に共感したようでした。

姉上の言うように、剣術以外のことにも目を向けねばならない。

社会勉強すべきだ。

溝渕は熱心にそう説くと、龍馬を外に連れ出しました。



ここの女子は金を払ったら二階で添い寝してくれる。溝渕は嬉しそうにそう言いました。

なるほど、社会勉強とは、こういうことだったようです。

しかし、龍馬はこれを拒否。それでは父上に面目がたたないと。


その様子を見ていた男がいました。

女子と遊ぶより父親との約束を選ぶとは立派な心がけだ、そう言って、男は近づいてきました。

男の名は、桂小五郎(谷原章介)。長州藩士で、江戸三大道場の一つ斉藤道場(練兵館)に通っているといいます。


江戸三大道場とは、北辰一刀流の千葉周作(玄武館)、神道無念流の斎藤弥九郎(練兵館)、鏡新明智流の桃井春蔵(士学館)、それぞれの道場を指します。これらは「技の千葉、力の斉藤、位の桃井」と呼ばれました。

因みに、後に武市半平太は、鏡新明智流を学ぶことになります。


土佐を出て日本の大きさがはじめて分かった、龍馬はそう話そうとしますが、桂は、世界は日本の何千倍も何万倍もでかい、と吠えます。世界には日本よりも文明がはるかに進んだ国がたくさんある。そして、そのうち、連中は日本を狙ってくるだろう。

龍馬にはその話がにわかには信じらませんでしたが、その認識はすぐに覆ることに。



桂といえば、彼の顔には、なぜか墨で書かれたヒゲがありました。

そして、これまたなぜか、溝渕の顔にも同じようなヒゲが。

なぜなんでしょう?(棒読み



あまりの貧しさに、草を摘んで食べねばならないような日々。

「いかん、このままじゃいかん」

弥太郎は立ち上がると、自分も塾を開くと宣言。それにより、ここに岩崎弥太郎がいるということを世間に知らしめてやると。

が、塾は開いたものの、集まるのはやる気のない子供ばかり。

アホらしくなる弥太郎ですが、そこに思わぬ来客が。

平井加尾(広末涼子)でした。

わたしは縁談を断り、お茶もお花も一弦琴もやめた。これからは学問を学びたい。

加尾は弥太郎に、学問を教えてくれるように頼みました。



【春】

・人生の中で勢いの盛んな時期。
・苦しくつらい時期のあとにくる楽しい時期。
・思春期の欲情。「―のめざめ」

(大辞泉より)




弥太郎は人生の夜明けを感じました。

(おお、ポカホンタス)



龍馬の案が採用され、大道場に太鼓が持ち込まれました。

音に合わせて門下生が竹刀を振ります。

活気があって、まるで祭りのよう。それでいて統率されている。

その様子を目にした佐那は、驚きます。


佐那を門下生に紹介する、龍馬。

噂の鬼小町に、門下生は大興奮。


成り行きで、少し指導することになった、佐那。

はじめは気が進まない様子でしたが、そのうち引き込まれ、最後は、龍馬と共に太鼓を叩くまでに。



稽古の後、礼を述べる龍馬に、佐那も、楽しかったと笑います。

けれど、龍馬がはじめて笑顔を見たと言うと、ぷいと行ってしまいました。



時が過ぎたある日のこと、定吉は佐那に、龍馬を斬れるかと問いました。

相手が誰であろうと斬れる、そう答える佐那ですが、定吉は、佐那はもう坂本龍馬には勝てない、そう言いました。

別に責めている訳ではない。ただ、自分が女であることを認めねばならない時が来たのだと、定吉は話します。

しかし、剣一筋に生きてきた佐那にとって、それは到底、認められるものではありませんでした。



道場でこん棒を握り稽古している龍馬に、佐那は立ち合うことを申し込みます。本気の勝負がしたいと。

突然のことに戸惑う、龍馬。

はやくしろと急かされますが、龍馬は、佐那とは打ち合う気にはなれないと、これを拒否。

つまるところ剣は戦で相手を殺す道具である。龍馬はそう言いました。

「戦に男も女もない!」

竹刀を振り上げる、佐那。

龍馬は何とか防ごうとします。

どうしても戦いたくない龍馬は、佐那から竹刀を奪うと、組み伏せました。


どうして自分は女に生まれてしまったのだろう。

泣けてくる、佐那。


そんな佐那に龍馬は思った通りを口にしました。

「わしは、お佐那様ほど凛々しい女子は見たことがないがです。そん凛々しさは、間違いのう剣の修行で身についたもんじゃ。他の誰にもマネできん、お佐那様だけの凛々しさじゃ」
「お佐那様、わしにはまっこと、まぶしゅう見えるぜよ。女に生まれんかったらよかった言うて、そんなもったいないこと言うたらいかんがです」


佐那は龍馬の顔を、じっと見ていました。

そして、わたしは弱くない、そう呟きました。「あなたが強すぎるのです。わたしは弱くない」と。


認める一点と、譲らない一点。

ふたりは土佐のお仁王様(乙女)を引き合いに出し、笑い合いました。



そこにとんでもない報せが舞い込みます。

浦賀に大きな異国の船が現れたというのです。


黒船来航。

江戸は大混乱に見舞われました。


“太平の眠りをさます上喜撰(蒸気船)、たった四はい(4隻)で夜も寝られず”


黒船は日本の、そして龍馬の、何を覚醒させるでしょうか…





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新しい風を吹かすのが得意な、龍馬。

大道場に太鼓を持ち込み新風を吹かせたかと思うと、佐那の心にまで風を吹き込みました。

そんな龍馬が土佐を出たのは、必然だったのかもしれません。


一方、風も吹かず停滞したような当時の土佐では、若者が悶々としている様子。

が、それで我慢できるはずもなく、動きが生じます。

人を集め、教化し、同志を増やそうとする、武市。

何とか学問で身を立てたい、弥太郎。


若者は停滞を一番嫌います。

澱んだものを吹き飛ばしたいと願う。


さて、若者たちは、どんな風を起こせるでしょうか…





<<「第3話 偽手形の旅」│「第5話 黒船と剣」>>





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Author:南方 城太郎
生息地:関西
分類:昭和人間
生まれ:
黒電話、赤電話が主流で、冷房は扇風機、暖房は石油ストーブと炬燵という時代


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